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2013年2月 1日 (金)

「イエロー・ハンカチーフ」は劣化コピーそのもの

高倉健主演の「幸せの黄色いハンカチ」のリメイクだが、 アメリカでこんなイジイジした映画が受けるのか疑問が湧く。アメリカ人があのウェットな役をやるとパロディーにしかならない。

主人公の嫁が流産して、以前も流産したことがあると分って主人公がショックを受けて、荒れて人を殺してしまうというのは同じなのだが、アメリカの酸いも甘いもかみ分けたような中年女性にはそれなりの性体験があるのは分りきったことだろうに、そこで主人公がショックを受けるというのがリアリティーがない。貞操観念を重要視する日本だからこそあそこで高倉健が荒れるんじゃないのか?

武田鉄矢の役は空気の読めない放浪する少年になっていて、桃井かおりの役は親にかまってもらえない15歳の美少女。人生があまりうまくいってないという点ではオリジナルと一緒だが、なんかリアリティを感じられないのはアメリカだからってだけなんだろうか。オリジナルでは二人が恋仲になるのがふさわしいと思えたが、こっちではどうも二人はバランスが取れてないような気がした。15歳の少女が放浪する少年とどう付き合っていけばいいのかが見えない。

ストーリーがめんどくさかったからか知れないが、都合よく空家があってそこに泊まる場面が2回も出てきて「なんだそりゃ」と思うし、カニを食べ過ぎて腹を壊すところはなぜか少年が運転しながら一人でザリガニを次々食べてるシーンになってたりしてて不自然だった。

最後のハンカチを見つけるシーンも2回ほど空振りをさせてがっかりさせた後で見つけると言う姑息なやりかたをつかってるし、ハンカチも、伏線となる妊娠を知らせるときには黄色いヨットの帆をあげるというものだったので、じゃあクライマックスではもっと派手に港中のヨットの帆を黄色くするのか?と思いきや、オリジナルと同じで小さなハンカチをたくさん並べるというやりかたで、それじゃ伏線のときより地味じゃないか、と思ってしまった。

若者が他人の車を傷つけてしまって絡まれて、主人公が助太刀して逃げ出すときに主人公が運転して警察に捕まって無免許がばれる、というシーンまでコピーしていた。さらに、連れて行かれた警察署に知り合いの警官が居て、その警官が出前を取るとこまで一緒。ここまで一緒なのに、あくまで原作はピート・ハミルで山田洋次ではない。山田洋次は"Thanks to" のみ。 ピート・ハミルの小説にはこんな場面でてこないのに、である。こういう原作の認定の仕方にも違和感を感じた。そのくせカメオで桃井かおりは出すし。わけわからない。

「幸せの黄色いハンカチ」はやっぱり日本の風土じゃないと成立しない映画のような気がする。アメリカ人に日本のメンタリティーの人物を演じられるとこそばゆい。あんたらそんな性格じゃないだろ? もっとワイルドだろ?と思ってしまう。

あと、山田洋次は舐めてたが、こういう劣化コピーを見せられるとオリジナルはやはり素晴らしく、山田洋次はたいしたものなのだと再認識した。

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