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2008年6月27日 (金)

残念なことに 「大日本人」 が面白かった

近年の松本人志はあまり面白いと思えなかったし、去年の公開前のもったいぶった宣伝と自画自賛ぶりには腹が立ったし、カンヌで大絶賛といってたくせに、youtubeで見るとパラパラの拍手と土屋Pの空気を読んだ中腰オベーションぐらいしかなくて笑ったし、取り巻き連中が松本を裸の王様に仕立てているのはいやだし、公開後は酷評の嵐でザマアミロと思っていた。最近になって、どんなにひどい映画なのか確かめてやろうとDVDで見てみたら、これが結構いいでやんの。

退屈だと言われていたインタビュー部分が良かった。松本演じる大佐藤というオッサンが可愛らしい。全く松本っぽくない。大佐藤がインタビューを受けて得意な気分になっているのが微笑ましい。

いちおう

ネタバレ

ネタバレ

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まず最初の、バスの座席に座っている大佐藤が映るところから良かった。リアルで自然に映画の中に入り込めた。自分もバスの向いの席に座って大佐藤をみている気分になる。それから、「折り畳み傘は使うときだけ大きくなるとこがいい」、と、自分に重ねて喋って「いいこと言ったぞ」という感じで得意がるところ。

踏み切りを渡るシーンも良かった。なんか、インタビューアーがついていることで高揚して、あっちこっち指しながら笑顔でなにやら説明してやってる様子もいい。

傘屋を覗く振りをするところも、「さっきの折り畳み傘の話、忘れるなよ?」 っていいたげに見えた。

それから、家に入ってふえるワカメの話をするところも「おれ、上手い譬え方しただろ」 っていいたげで可愛らしい。大阪弁で喋らずにイントネーションが関西風の東京弁で喋ってるところも、インタビュアーの前で気取りたいという気持ちが表れてるようで良かった。

恥ずかしそうにお金の話をするところ。言いにくそうに嫁の話をするところ。

それと、投石でガラスが割れる音の驚きもすごい。何度聞いても驚く。その時の、大佐藤のため息と「まったくもう…」という顔。

「焼きますか?」って言葉を使うとこも、専門用語を使ってみせて得意がってるように見えて笑える。

どんな質問にも丁寧に、論理的に答えている。インタビューアーの図々しさとは好対照で、ますます大佐藤に対する好感度がアップする。

ぶしつけな質問に黙り込む大佐藤。でも怒りはしない。

それと、一般人の出演者のインタビューもすごくいい。電変所の警備員とか、防衛庁のおっさんらの説明がヘタクソだが一生懸命にインタビューに答えようとする姿はリアルでとても演技とは思えないし、その苦しい説明が笑える。

また、街頭での、あんまりものを考えてなさそうな人々へのインタビュー。バカっぽい感じの人が、本当に馬鹿っぽくインタビューに答えていて、とても演技とは思えない。失礼ながら、あんなバカっぽいやつが演技なんか出来るはずない、と思えるような人がインタビューで大日本人に関して答えているのを見ると、大日本人は本当にいるんじゃないか、と思えてくるほどだ。

名古屋のバーのママに惚れているような様子も良い。バーのママはホンモノなのか、ものすごくリアル。ママに酔っ払って甘えたり、ママの家に一晩泊めてもらって翌朝名古屋駅に送ってもらってそそくさと駅に入るところも。

子供に会えるというので嬉しそうにいそいそと電車に乗ってるところもいいし、Big boy という店名で親父ギャグを言うのもいい。

嫁も、TVに出られるというのでちょっといきってる様子も良かった。もちろん嫁のインタビューもリアル。子供と会えるのは本当は半年に一度だと分かるのも良い。

嫁やマネージャーと喋っているときも、インタビュアーを意識していいとこ見せようとしてる風に見えるのもいい。

大佐藤という、可愛らしく魅力的な、しかしうらぶれたオッサンを、非常にリアルに描き出していて、それだけでこの映画は楽しめた。

戦いのシーンは自分にはあまり重要ではなかった。絞めるの獣は面白かった。竹内力の顔のやつはちょっと受け狙いに行き過ぎなきがした。

あの赤いやつを怖がるのはわかるきがする。他のと比べて明らかに凶悪に見えた。

最後の、スーパージャスティスが出るところから後。まあ、ひどいとは思った。だけど、ヒーロー大佐藤のうらぶれた感じを強調するためには、あれで自分的には構わない。自分にとって、この映画の見所は大佐藤の哀愁なので、それが見れれば問題ない。

映画の外では、松本自身がこの映画に関して酷評を浴びていて、それが大佐藤と重なったのも面白かった。yahoo映画のユーザレビューとかでは、映画の中での大佐藤に対するバッシングさながらの、この映画に対するバッシングがあって、映画と現実が重なり合って、この映画がより楽しめた。

yahoo映画ユーザレビューの批判の中には、本当は映画を見てないのに見た振りをして書いてる、ってのがある。

「役に立った」が一番多くついているこれ

http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id327082/rid572/p0/s0/c0/

も、映画を見ないで書いてる。自分も映画を見る前にこれを読んだときには、そうだそうだ、と思ったもんだが、見た後でこれを読むと、映画に関して書かれるべきことが全く書いてない。批判をするんなら、「実写でご覧ください」の部分とか、絶対に書かないはずが無いのに、松本の芸暦のことしか書いてない。

2ちゃんねるでもこの映画が叩かれてて、松本信者が「おまえほんとにこの映画見たのか?」と反撃していたが、実際見た信者からすると、ほんとに見て叩いてるのかどうかはモロバレだったんだろうな。

TVのコントじゃなく映画(DVD)にする意味は、自分にはあった。それは、大佐藤をリアルな人間だと思えたことで、TVのコントじゃこうはいかない。

とにかく、繰り返し見ても飽きない。ぼーっと見るともなしに見ていると、かなり楽しめる。大佐藤のテンションの低い、でも誠実なしゃべりが心地いい。

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コメント

かわら長助 大日本人
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投稿: ex2channeler | 2008年8月29日 (金) 16時00分

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